NASとクラウドストレージ徹底比較|導入費用と選び方ガイド

社内の大切なデータをどこに保存すべきか──。小規模企業の経営者や管理者の多くが、NASとクラウドストレージの選択に頭を悩ませています。特に近年は、ハイブリッドワークの浸透やデジタルデータの増加により、適切なストレージの選択がビジネスの生産性を大きく左右するようになりました。

データストレージに求められる要件
  • 安全性の確保
  • アクセスのしやすさ
  • コストの最適化
  • 運用負担の軽減

本記事では、IT担当者不在の小規模企業でも実践できる、NASとクラウドストレージの選び方を徹底解説します。初期費用や運用コストの具体的な比較から、実際の業務に合わせた選定ポイントまで、意思決定に必要な情報をわかりやすくまとめました。

目次

NASとクラウドストレージの違いをわかりやすく解説

それぞれの仕組み

NASとは具体的に何か

会社のデータを保存・共有するための専用機器がNAS(Network Attached Storage)です。簡単に言えば、ネットワークにつながる大容量の保管庫のようなものです。オフィスに設置した本体に大容量のハードディスクが内蔵されており、社内のパソコンからLANケーブルやWi-Fi経由でアクセスできます。

データの保存場所として選ばれる主な理由
  • 大容量のデータを一元管理できる
  • 初期費用のみで容量無制限に使える
  • 社内限定で高速アクセスが可能

クラウドストレージとは具体的に何か

クラウドストレージは、インターネット上のサーバーにデータを保存するサービスです。GoogleドライブDropboxのような一般向けサービスの法人版だと考えるとわかりやすいでしょう。データは専門企業が管理する大規模なデータセンターに保管され、インターネットさえあれば、どこからでもアクセスできます。

サービスとして選ばれる主な理由
  • 場所を問わずアクセスできる
  • 専門企業による安全管理が期待できる
  • システム管理の手間がかからない

設置場所と管理方法の違い

オフィスの机の上に置かれるNASと、データセンターにあるクラウドストレージでは、管理方法に大きな違いがあります。NASは社内で物理的に管理する必要があり、停電対策バックアップなどの運用管理は全て自社で行います。一方、クラウドストレージはサービス提供企業が24時間365日体制で管理を行うため、社内の管理負担は大幅に軽減されます。

基本的な管理の違い
  • 設置場所:NASは社内、クラウドは外部のデータセンター
  • 管理主体:NASは自社、クラウドはサービス提供企業
  • 必要な作業:NASは物理的な管理も必要、クラウドは利用管理のみ

導入・運用にかかる費用の比較

初期費用の目安

企業での利用に適した信頼性の高い製品やサービスを選んだ場合の初期費用をご紹介します。NASは4TB程度の容量5〜15万円が目安となります。一方、クラウドストレージは初期費用0円のサービスがほとんどです。ただし、NASは一度購入すれば容量の上限まで追加料金なしなのに対し、クラウドストレージは使用量に応じて月額料金が変動する点に注意が必要です。

導入時に必要な費用の内訳
  • NAS本体:4〜12万円
  • 設定作業:0〜3万円(外部委託の場合)
  • LANケーブル等:数千円程度

毎月の運用費用(電気代含む)

NASは24時間稼働を前提とした場合、電気代が月約500〜1,000円程度発生します。また、インターネット回線も必要ですが、これは通常のオフィス運営でも必要なものです。クラウドストレージの場合、利用する容量とユーザー数に応じた月額料金がかかります。一般的なビジネスプラン1ユーザーあたり月1,500〜3,000円程度です。

月々発生する費用の比較
  • NAS:電気代のみで1,000円前後
  • クラウド:ユーザー数×1,500〜3,000円

データ容量あたりのコスト比較

2年間使用した場合の総コストを容量あたりで比較してみましょう。4TBのデータ5人で共有する場合、以下のような費用感となります。

NASの場合(2年間の総コスト):
  • 初期費用:10万円
  • 電気代:24,000円(1,000円×24ヶ月)
  • 1TB当たりの月額コスト:約1,300円
クラウドの場合(2年間の総コスト):
  • 月額料金:12,500円(2,500円×5人)
  • 2年間の総額:300,000円
  • 1TB当たりの月額コスト:約3,125円

長期運用を考えると、データ容量が多い場合はNASの方が総コストを抑えられる可能性が高くなります。一方、小容量での利用や、頻繁なデータのバックアップが必要な場合は、クラウドストレージの方がコストパフォーマンスに優れる場合もあります。

メリット・デメリットを徹底比較

NASのメリット・デメリット

社内にデータ保管場所を持つNASは、高速アクセスコストメリットが大きな特徴です。一方で、運用管理の手間災害リスクへの対策が必要です。

NASを選ぶ企業の決め手となるメリット
  • 大容量データの読み書きが高速
  • 一度の投資で長期間使用可能
  • 通信費用がかからない
  • インターネット接続なしでも利用可能
注意が必要なデメリット
  • 故障時の対応は自社対応が必要
  • 災害時のデータ消失リスクあり
  • 社外からのアクセスには追加設定が必要
  • バックアップ作業は自社で実施

クラウドストレージのメリット・デメリット

クラウドストレージは、運用の手軽さ柔軟なアクセス環境が特徴です。ただし、通信速度月額コストについては考慮が必要です。

クラウドを選ぶ企業の決め手となるメリット
  • 社外からでも簡単にアクセス可能
  • システム管理の手間が最小限
  • 自動バックアップで安心
  • 必要な分だけ容量を利用可能
注意が必要なデメリット
  • 月額費用が永続的に発生
  • インターネット環境が必須
  • 大容量データの読み書きに時間がかかる
  • サービス終了のリスクあり

実際の利用シーンでの比較表

代表的な利用シーンにおける、NASとクラウドストレージの特徴を比較してみましょう。

利用シーンNASクラウドストレージ
社内でのファイル共有社内LANで高速転送
大容量データも快適
△ 初期設定が必要
設定が簡単
大容量データは転送が遅い
○ すぐに利用開始可能
在宅勤務でのアクセスVPN設定が必要
専門知識が必要
△ 設定後も動作が不安定なことも
どこからでもアクセス可能
設定不要
◎ 安定した動作
取引先とのデータ共有専用の共有設定が必要
都度設定に手間
△ セキュリティ設定が複雑
URLで簡単共有
アクセス権限の細かい設定可能
○ 共有履歴の管理が簡単
システムバックアップ大容量バックアップが高速
バックアップ設定は手動
△ 定期的な動作確認が必要
自動バックアップ
バージョン管理が簡単
◎ 復元作業も容易

◎:特に優れている ○:対応可能 △:やや課題あり

このように見ると、社内での大容量データ運用ではNASが、場所を問わない柔軟な利用ではクラウドストレージが優位となることがわかります。自社の主な利用シーンに合わせて選択することで、より効果的な運用が可能になります。

データ容量に応じた選び方

必要なデータ容量は、ストレージ選びの重要な判断材料です。容量別に最適な選択肢と、具体的なコストを見ていきましょう。

500GB未満の場合

小規模なデータ量であれば、クラウドストレージがおすすめです。この容量帯では、クラウドの利便性が大きなメリットとなります。

クラウドストレージを選ぶ理由
  • 月額費用が比較的安価(1ユーザー2,000円程度)
  • 初期費用なしで始められる
  • 自動バックアップで運用が楽
  • 容量の増減が自由
注意点
  • ユーザー数が多い場合は、総コストの確認が必要
  • 年間契約にすると月額料金が割引されることが多い

500GB〜2TBの場合

この容量帯は、利用目的アクセス方法によって選択が分かれます。社内でのアクセスが主であればNAS場所を問わないアクセスが必要ならクラウドストレージの検討をおすすめします。

NASを選ぶ場合の特徴
  • 初期費用:6〜8万円程度
  • 月額費用:電気代のみ(約1,000円)
  • データ転送が高速で快適
クラウドを選ぶ場合の特徴
  • 初期費用なし
  • 月額費用:1ユーザー2,500〜3,000円程度
  • 柔軟なアクセス環境を重視

2TB〜4TBの場合

この容量帯になると、長期運用を考えた場合、NASの方がコストメリットが大きくなります。特に写真・動画などの大容量データを扱う企業は、NASの導入を強くおすすめします。

NASを選ぶ具体的なメリット
  • 2年間の総コスト比較クラウドの半額以下
  • 大容量データの読み書きが快適
  • 将来の容量増設も比較的安価
選ぶ際のポイント
  • 信頼性の高いメーカーを選ぶ
  • RAID機能搭載でデータ冗長性を確保
  • 保守サービスの有無を確認
容量NAS総コスト
(初期費用+電気代)
クラウド総コスト
(5ユーザーの場合)
500GB未満約9万円約30万円
500GB〜2TB約11万円約36万円
2TB〜4TB約14万円約48万円
容量別の2年間総コスト比較表

このように、必要な容量利用人数、そして運用期間を考慮することで、最適な選択が見えてきます。特に4TB未満のデータ運用では、アクセス方法の要件が重要な判断材料となります。

業務形態別おすすめの選択方法

働き方が多様化する中、データへのアクセス方法共有の仕方は、業務形態によって大きく異なります。それぞれの業務スタイルに適したストレージの選び方を解説します。

オフィスワークがメインの場合

社員の大半がオフィスで勤務し、社内でのファイル共有が中心の場合は、NASの導入がおすすめです。特に大容量データを扱う機会が多い業務では、NASの特徴を最大限活かせます。

NASが最適な理由
  • 社内LANを使用した高速データ転送
  • 通信料金回線速度を気にしない
  • 長期運用でのコストメリット
  • オフライン環境でも利用可能
運用のポイント
  • 共有フォルダの適切なアクセス権限設定
  • 定期的なバックアップの実施
  • 停電対策(UPSの設置推奨)

在宅勤務・リモートワークを含む場合

働く場所が分散している場合、クラウドストレージの導入を強く推奨します。いつでもどこでも同じように仕事ができる環境が必要だからです。

クラウドストレージが最適な理由
  • 場所を問わないアクセス環境
  • デバイスを選ばない利用のしやすさ
  • 自動同期によるデータの一元管理
  • セキュリティ設定が容易
運用のポイント
  • アクセス権限適切な設定
  • 社内ルールの明確化
  • セキュアな通信環境の確保

取引先とのデータ共有が多い場合

社外の関係者頻繁にデータをやり取りする業務では、クラウドストレージの利用が効率的です。セキュリティを確保しながら、スムーズな共有が可能だからです。

業務内容推奨ストレージ具体的な活用方法
資料の受け渡しクラウド期限付きリンクでの共有
パスワード保護の活用
更新通知の設定
共同作業クラウドリアルタイム共同編集
バージョン管理
コメント機能の活用
大容量データ共有NAS+クラウドNASで保管クラウドで共有
アクセス履歴の管理
容量制限の設定
業務別おすすめ設定
ハイブリッド運用のポイント
  • 機密性の高いデータNASで保管
  • 共有頻度の高いデータクラウドに配置
  • アクセス権限最小限に設定

このように、業務形態に応じて適切なストレージを選択することで、業務効率セキュリティの両立が可能です。また、NASとクラウド併用することで、それぞれのメリットを最大限に活かした運用も検討できます。

セキュリティ対策とバックアップ

データは企業の重要な資産です。適切な保護バックアップ体制の構築は、ストレージ選びの重要なポイントとなります。それぞれの特徴と対策方法を詳しく解説します。

データ消失・破損のリスク対策

データを失うリスクは、NASとクラウドで異なる特徴を持ちます。それぞれの対策方法を理解しておきましょう。

NASのリスクと対策
  • ハードディスク故障RAID機能複数ディスクに分散保存
  • 機器の故障定期的なバックアップを別メディアに保存
  • 災害・盗難オフサイトバックアップの実施
  • 人的ミスファイル履歴機能で以前のバージョンに復元
クラウドのリスクと対策
  • アカウント乗っ取り二段階認証の有効化
  • 誤操作自動バックアップバージョン管理
  • サービス停止定期的なローカルバックアップ
  • 同期ミス同期状態の定期確認

情報漏洩対策の比較

セキュリティ項目NASクラウドストレージ
アクセス制御IPアドレス制限
ユーザー認証
フォルダ権限設定
二段階認証
デバイス制限
詳細な権限設定
通信暗号化VPN接続が必要
SSL/TLS設定が必要
標準で暗号化通信
追加設定不要
データ暗号化手動設定が必要
専門知識が必要
自動暗号化
暗号化レベル選択可
アクセスログ基本的なログのみ
解析は手動
詳細なログ
異常検知機能付き

バックアップ方法の違い

データの確実な保護のため、それぞれに適したバックアップ方法があります。

NASのバックアップ方式
  • 内蔵HDDの冗長化(RAID構成)
    • RAID 1:完全ミラーリング
    • RAID 5/6:パリティによる保護
  • 外付けHDDへの定期バックアップ
  • 別のNASへの自動バックアップ
  • クラウドバックアップ(ハイブリッド方式)
クラウドストレージのバックアップ特徴
  • 自動バージョン管理
    • 更新履歴の保持
    • 任意の時点に復元可能
  • マルチリージョンでのデータ保管
    • 地理的な分散保存
    • 災害対策として有効
  • ローカルキャッシュ
    • オフラインでも作業可能
    • 同期時に自動バックアップ
データ重要度NASの場合クラウドの場合
重要度:高RAID 1/6構成
日次バックアップ
遠隔地保管
自動バックアップ
30日以上の履歴保持
ローカル保存
重要度:中RAID 5構成
週次バックアップ
外付けHDD保管
自動バックアップ
7日以上の履歴保持
重要度:低RAID 1構成
月次バックアップ
自動バックアップのみ
推奨するバックアップ戦略

このように、セキュリティバックアップは、選択したストレージに応じて適切な方法を選ぶことが重要です。特に重要なデータは、複数の方法を組み合わせた多重的な保護を検討しましょう。

具体的な製品・サービス比較

小規模企業向けのNAS製品を、実際の利用シーンに基づいて比較します。主要メーカーの特徴と、具体的な製品をご紹介します。

おすすめNAS製品

主要メーカーの特徴比較:

項目BuffaloSynology
価格帯比較的安価やや高価
特徴簡単セットアップ
日本語サポート
故障時の保証が手厚い
高機能
豊富なアプリ
安定性が高い
向いている企業IT管理者不在の企業
シンプルな運用希望
やや詳しい担当者がいる企業
多機能な活用を希望
主要メーカーの特徴比較

Buffalo製品の特徴と価格

手軽に導入できる信頼性の高い製品が特徴です。初期設定が簡単で、日本語マニュアルも充実しています。

モデルTeraStation(2ベイ)TeraStation(4ベイ)
価格6〜8万円12〜15万円
容量4TB(2TB×2)8TB(2TB×4)
特徴簡単設定
RAID 1対応
RAID 5/6対応
高信頼性
用途小規模オフィス向けデータ量が多い企業向け
Buffaloおすすめモデル
Buffalo選択のメリット
  • 国内メーカー安心感が高い
  • 保守サービスが充実
  • 電話サポートが手厚い
  • 故障時の交換が迅速

Synology製品の特徴と価格

高機能拡張性が高い製品が特徴です。独自OSによる多彩な機能を備えています。

モデルDiskStation DS220+DiskStation DS420+
価格5〜7万円(ドライブ別)8〜10万円(ドライブ別)
対応容量最大32TB最大64TB
特徴高性能CPU
豊富なアプリ
4ベイ
拡張性が高い
用途汎用的な利用向け将来の拡張を見据えた利用
Synologyおすすめモデル
Synology選択のメリット
  • 独自アプリが充実
  • クラウド連携が強力
  • 自動バックアップが簡単
  • リモートアクセス機能が充実

用途別おすすめ製品

利用シーンおすすめ製品選定理由
単純なファイル共有Buffalo TeraStation
(2ベイ)
設定が簡単
コストパフォーマンスが良い
サポートが充実
社外からのアクセスが必要Synology DS220+リモートアクセスが容易
セキュリティが強固
アプリ連携が豊富
大容量データの保存Buffalo TeraStation
(4ベイ)
大容量に対応
信頼性が高い
RAIDによる保護
クラウド連携を重視Synology DS420+クラウド同期が簡単
バックアップが充実
拡張性が高い
用途別おすすめ製品
製品選びのポイント
  • 現在の必要容量2倍程度を目安に選択
  • 将来の拡張性を考慮
  • サポート体制の確認
  • 保証期間の確認

このように、企業のニーズIT環境に合わせて最適な製品を選択することが重要です。特に初めてNASを導入する場合は、サポート体制の充実した製品を選ぶことをおすすめします。

おすすめクラウドストレージサービス

小規模企業向けの主要クラウドストレージサービスを比較します。機能コスト、それぞれの特徴を詳しく解説します。

項目Google WorkspaceDropbox BusinessOneDrive for Business
基本容量1ユーザー30GB〜1ユーザー5TB〜1ユーザー1TB〜
月額料金
(1ユーザー)
680円〜1,480円〜900円〜
最小契約人数1名〜3名〜1名〜
特徴的な機能・Gmail連携
・Google文書作成
・ビデオ会議
・高度な共有機能
・パスワード保護
・閲覧ログ管理
・Office連携
・Teams連携
・Exchange機能
主要サービスの比較表

Google Workspaceの特徴と価格

Googleの総合的なサービスとして、メール文書作成などオフィス機能が充実しています。

プラン名Business StarterBusiness Standard
月額料金680円/ユーザー1,360円/ユーザー
ストレージ容量30GB2TB
主な機能基本的な機能が全て利用可能
ビデオ会議は100名まで
Gmail/カレンダー連携
高度な検索機能
ビデオ会議は150名まで
ノイズキャンセリング機能
Google Workspaceのプラン比較
選ぶべき企業
  • Gmailを主力で使用している
  • Google文書での共同編集を活用したい
  • ビデオ会議機能も必要

Dropbox Businessの特徴と価格

ファイル共有に特化した高機能なサービスです。セキュリティ共有機能が充実しています。

プラン名StandardAdvanced
月額料金1,480円/ユーザー2,480円/ユーザー
ストレージ容量5TB無制限
主な機能ファイルの復元(180日間)
アクセスログ管理
パスワード付き共有
高度なセキュリティ機能
カスタマイズ可能な管理ツール
デバイス管理機能
Dropbox Businessのプラン比較
選ぶべき企業
  • 大容量データの共有が多い
  • 取引先との共有が頻繁
  • セキュリティを重視している

OneDrive for Businessの特徴と価格

Microsoft Officeとの連携が強みです。Windows環境との相性が良好です。

プラン名プラン1Microsoft 365 Business
月額料金900円/ユーザー1,360円/ユーザー
ストレージ容量1TB1TB
主な機能基本的なOffice連携
ファイル共有機能
オンライン版Office
Office製品が使い放題
Teamsが利用可能
Exchangeメール機能
OneDrive for Businessのプラン比較
選ぶべき企業
  • Office製品を主に使用
  • Windows PCが主力
  • Teamsでの連携を検討

用途別おすすめサービス

用途おすすめサービス選定理由
基本的な文書共有Google
Workspace
導入コストが低い
操作が簡単
共同編集が便利
大容量データ共有Dropbox
Business
大容量対応
共有機能が充実
セキュリティが強固
Office連携重視OneDrive for
Business
Office統合
Windowsとの相性
Teams連携
用途別おすすめサービス
選択時のポイント
  • 既存の業務環境との相性
  • 主な利用目的の明確化
  • ユーザー数必要容量の確認
  • セキュリティ要件の確認

このように、業務環境利用目的に合わせて最適なサービスを選択することが重要です。特に既存のシステムとの連携を重視して検討することをおすすめします。

データ移行と運用の手順

導入時の準備と設定

データ保存方法を変更する際の重要なステップをご説明します。スムーズな導入のためには、事前の準備が重要です。

導入前の確認事項
  • 既存データの総容量
  • 必要なアクセス権限の種類
  • バックアップの必要性
  • セキュリティ要件

NASを選択した場合の準備手順として、まず専用ソフトウェア(Buffalo製品ならNAS Navigator2、Synology製品ならSynology Assistant)をインストールします。その後、LANケーブルで社内ネットワークに接続し、基本設定を行います。データの安全性を確保するため、RAID 1またはRAID 5の構成をお勧めします。

クラウドストレージを選択した場合は、まずアカウント作成初期設定を行います。その後、同期用クライアントソフトをパソコンにインストールし、必要なフォルダを設定します。

日常的な運用方法

効率的な運用のためには、日々の管理が欠かせません。ここでは基本的な運用方法をご説明します。

日常的な管理のポイント
  • データ保存場所の整理
  • アクセス権限の見直し
  • 使用容量の確認
  • 定期的なバックアップ

特に重要なのは容量管理です。定期的な確認を行い、不要なファイルは整理します。また、アクセス権限は必要最小限に設定し、定期的に見直すことでセキュリティリスクを軽減できます。

トラブル時の対処方法

システムトラブルは業務に大きな影響を与えます。迅速な対応のため、基本的な対処方法を把握しておきましょう。

よくあるトラブルと対処法
  • 接続できない
  • 動作が遅い
  • 容量不足
  • アクセス権限エラー

接続トラブルが発生した場合、まずネットワーク状況を確認します。NASの場合は電源の再起動LANケーブルの接続確認が有効です。クラウドストレージの場合は、インターネット接続同期クライアントの状態を確認します。

深刻なトラブルの場合は、各メーカーやサービスのサポート窓口に連絡することをお勧めします。Buffalo製品やSynology製品は電話サポートが利用可能です。クラウドサービスの場合は、多くが24時間対応のサポートを提供しています。

日々のトラブル予防として、自動アップデートを有効にし、定期的なバックアップを行うことが重要です。特にNASでは、ファームウェアの更新を定期的に確認することで、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ:4つのチェックポイントで簡単診断

データ保存方法の選択に迷ったら、以下の4つのポイントで簡単に診断できます。

1. 予算と費用

コスト面での特徴:

  • NAS:初期費用(15〜30万円)が高いものの、月々の費用は電気代のみ
  • クラウド:初期費用なしだが、月額料金(1人1,500〜3,000円)が継続的に発生
2. 必要なデータ容量

容量別のおすすめ:

  • 2TB未満:どちらも選択可能
  • 2〜4TB:NASが費用対効果で優位
  • 4TB以上:要件に応じて個別検討が必要
3. アクセス方法

利用シーン別の特徴:

  • NAS:社内での高速アクセスに強み
  • クラウド:どこからでもアクセス可能で、リモートワークに最適
4. セキュリティレベル

セキュリティ面の違い:

  • NAS:自社管理が可能で、物理的なセキュリティを確保
  • クラウド:専門事業者による高度な対策と、モバイル対応のセキュリティ機能を提供

まずは自社の状況に照らし合わせて、これらのポイントを確認してみましょう。必要に応じて試験導入から始めることで、最適な選択ができます。


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