Wixでサイトを作ったものの、ページが増えるにつれて表示が重くなる、SEO対策に限界を感じる、やりたい機能がアプリ追加でどんどん高くなる——そんな「このままWixで続けていいのか」という不安を抱えていませんか。
WordPressへの移行を調べてみても、Wixにはエクスポート機能がないという壁にぶつかります。「結局どうやって移行すればいいの?」「ドメインは引き継げるの?」「移行中にサイトが止まったらどうしよう」——情報が断片的で、全体像が見えないまま手が止まってしまう方も多いはずです。
この記事では、WixからWordPressへの移行手順をコンテンツ移行・ドメイン移管・トラブル対策まで網羅的に解説します。費用と期間の目安、自力移行と外注の判断基準も具体的な数字で提示しています。
📌 読み終える頃には、移行の全体像と具体的なアクションプランが明確になり、迷いなく作業を進められる状態になります。
結論からお伝えすると、移行成功のカギは「テスト環境でサイトを完成させてからドメインを切り替える」こと。この順序を守れば、ダウンタイムを最小限に抑えながらSEO評価も引き継げます。
WixからWordPressへ移行すべき理由

WixからWordPressへの移行を検討する前に、両者の違いを理解しておきましょう。移行には手間とコストがかかるため、本当に移行すべきかどうかを判断することが重要です。
WixとWordPressの違いを比較
WixとWordPressは、どちらもWebサイトを作成できるツールですが、仕組みや特性が大きく異なります。
| 比較項目 | Wix | WordPress |
|---|---|---|
| 初期費用 | 無料〜 | サーバー代+ドメイン代が必要 |
| 月額費用 | 無料〜約1,500円 | 約1,000円(サーバー代) |
| カスタマイズ性 | テンプレート内で制限あり | プラグイン・テーマで自由に拡張可能 |
| SEO対策 | 基本機能のみ | プラグインで高度な対策が可能 |
| 表示速度 | ページ数が増えると遅くなる傾向 | 高速化の手段が豊富 |
| テンプレート変更 | 途中変更不可 | いつでも変更可能 |
| データの所有権 | Wixのサーバーに依存 | 自分で完全に管理可能 |
WixはドラッグXドロップで直感的にサイトを作れる一方、WordPressはプラグインによる機能拡張やテーマによるデザイン変更の自由度が高いという特徴があります。
Wixのままで良いケース・移行すべきケース
すべてのサイトがWordPressに移行すべきというわけではありません。現在の運用状況や今後の方針によって、最適な選択は異なります。そもそもホームページが必要かどうかから検討したい方は、個人事業主・小規模事業者にホームページは本当に必要かの記事も参考にしてください。
🟢 Wixのままで良いケース:
- ページ数が10ページ以下の小規模サイト
- 更新頻度が月1回以下
- デザインや機能に大きな不満がない
- 技術的な管理に時間をかけたくない
- 名刺代わりのシンプルなサイトで十分
🔵 WordPressへ移行すべきケース:
- ブログやコンテンツマーケティングに力を入れたい
- SEO対策を本格的に行いたい
- サイトの表示速度が遅いと感じている
- 独自の機能やデザインを実装したい
- 将来的にECサイトや会員サイトへの拡張を考えている
- 複数のスタッフでサイトを管理したい
移行しない場合に想定されるリスク
Wixでの運営を続けた場合、長期的には以下のようなリスクが考えられます。
⚠️ ベンダーロックイン: Wixにはエクスポート機能がないため、サイトの規模が大きくなるほど移行コストが増大します。記事数が100を超えると、手動での移行作業は現実的に困難になります。
⚠️ コストの増加: Wixの有料プランは年々値上がり傾向にあります。また、必要な機能がアプリとして有料提供されるケースも多く、トータルコストが想定以上に膨らむ可能性があります。
⚠️ SEOの限界: Wixでも基本的なSEO対策は可能ですが、WordPressのように構造化データの細かな設定や高度な内部リンク最適化を行うことは難しい場合があります。
WixからWordPress移行で知っておくべき制約
WixからWordPressへの移行は、他のCMSからの移行と比べて技術的な制約が多いのが特徴です。移行作業を始める前に、これらの制約を理解しておきましょう。
Wixにはエクスポート機能がない
WixからWordPressへ移行する際の最大の障壁は、Wixに標準のエクスポート機能が存在しないことです。
WordPressやはてなブログなど多くのCMSでは、記事データをXMLファイルなどでエクスポートし、別のプラットフォームにインポートできます。しかし、Wixではこの機能が提供されていません。
Wix公式のサポートページでは、「ブログ記事を他のプラットフォームにエクスポートしたい」という要望は「機能リクエスト」として受け付けられている段階であり、実装されていません。
そのため、移行方法としては以下のいずれかを選択する必要があります。
📌 移行方法の選択肢:
- RSSフィード経由でブログ記事をインポート
- 専用プラグインを使ってRSSからインポート
- 手動でコンテンツをコピーして再作成
RSSフィードは20件までしか取得できない
WixのブログにはRSSフィード機能があり、これを活用してWordPressにブログ記事をインポートできます。しかし、RSSフィードで取得できる記事数は最新20件までという制限があります。
ブログ記事が20件以下であればRSSフィード経由での移行が有効ですが、それを超える場合は手動でのコピー作業が必要になります。
画像はwebp形式で保存されている
Wixにアップロードした画像は、サーバー側でwebp形式に自動変換されて保存されています。
webp形式の画像はそのままではWordPressにアップロードできない場合があるため、JPEG形式への変換作業が必要です。
🔧 画像変換の対処法:
- Wixの画像を右クリックで保存
- I♥IMGなどの無料ツールでJPEGに変換
- 変換後の画像をWordPressにアップロード
画像のalt属性(代替テキスト)もWixから自動的には引き継がれないため、SEOを意識するなら移行後に再設定が必要です。
ドメイン移管には最大7日かかる
Wixで取得した独自ドメインをWordPressで使い続ける場合、ドメイン移管の手続きが必要です。
ドメイン移管には以下の制約があります。
⏰ ドメイン移管の制約:
- ドメイン取得後60日以内は移管不可(ICANNの規定)
- 登録者情報を変更した後60日間は移管不可
- 移管完了まで最大7日かかる
- 移管中はサイトが一時的に不安定になる可能性あり
これらの制約を踏まえ、余裕を持ったスケジュールで移行計画を立てることが重要です。
WixからWordPress移行にかかる費用と期間
移行を決断する前に、費用と期間の目安を把握しておきましょう。自力で行うか外注するかによって、必要なコストは大きく異なります。
自力で移行する場合の費用目安
自力で移行する場合、必要な費用はレンタルサーバー代とドメイン移管費用のみです。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| レンタルサーバー(年間) | 約10,000〜15,000円 |
| ドメイン移管費用 | 1〜1,500円程度 |
| WordPressテーマ(有料の場合) | 10,000〜20,000円(買い切り) |
| 合計(初年度) | 約11,000〜36,500円 |
レンタルサーバーはエックスサーバーのスタンダードプランであれば、12ヶ月契約で月額約1,100円(年間約13,200円)が目安です。独自ドメイン永久無料特典を利用すれば、ドメイン費用を抑えられます。
WordPressのテーマは無料のものでも十分運用可能です。コーポレートサイトなら「Lightning」、ブログ型なら「Cocoon」などが定番の無料テーマとして知られています。
外注する場合の費用相場
自力での移行が難しい場合は、専門業者への外注も選択肢になります。
| サイト規模 | 費用相場 |
|---|---|
| 小規模(10ページ以下) | 5〜15万円 |
| 中規模(30ページ程度) | 15〜30万円 |
| 大規模(50ページ以上) | 30〜50万円以上 |
費用はページ数やデザインの再現度、機能の複雑さによって変動します。複数の業者から見積もりを取得し、作業内容を比較検討することをおすすめします。
移行にかかる期間の目安
移行作業にかかる期間は、サイトの規模と移行方法によって異なります。
| サイト規模 | 自力移行 | 外注移行 |
|---|---|---|
| 小規模(10ページ以下) | 1〜2週間 | 1〜2週間 |
| 中規模(30ページ程度) | 2〜4週間 | 2〜3週間 |
| 大規模(50ページ以上) | 1〜2ヶ月 | 3〜4週間 |
上記に加えて、ドメイン移管に最大7日かかることを考慮してスケジュールを組みましょう。
移行後のランニングコスト比較
移行後のランニングコストを比較すると、長期的にはWordPressの方がコストを抑えられる可能性があります。
| 項目 | Wix(ビジネス系プラン) | WordPress |
|---|---|---|
| 月額費用 | 約1,800〜2,700円 | 約1,000円 |
| 年間費用 | 約21,600〜32,400円 | 約12,000〜15,000円 |
| ドメイン費用 | 2年目以降有料 | 永久無料特典あり |
Wixのビジネス系プランは月額1,800円以上かかるケースが多く、WordPressと比較すると年間で1万円以上の差が出ることもあります。
WixからWordPress移行の全体フローと事前準備
移行作業を始める前に、全体の流れを把握し、必要な準備を整えておきましょう。
移行作業の全体像
WixからWordPressへの移行は、大きく分けて以下の5つのステップで進めます。
📋 移行の流れ:
- レンタルサーバーを契約し、テスト環境でWordPressを構築
- Wixのコンテンツ(記事・画像・固定ページ)をWordPressに移行
- デザインを調整し、動作確認を行う
- ドメインを移管し、ネームサーバーを変更
- 本番公開後、リダイレクト設定やSEO設定を行う
ポイントは、テスト環境でWordPressサイトを完成させてから、ドメインを切り替えるという順序です。これにより、サイトのダウンタイムを最小限に抑えられます。
移行前に準備しておくもの
移行をスムーズに進めるために、以下の項目を事前に準備しておきましょう。
✅ 事前準備チェックリスト:
- Wixの管理画面へのログイン情報
- 現在のサイト構成(ページ一覧・URL一覧)の把握
- 画像ファイルのダウンロード(可能な範囲で)
- ドメイン登録者情報の確認
- レンタルサーバーの契約
- 使用するWordPressテーマの選定
特に、ドメイン登録者情報のメールアドレスは重要です。ドメイン移管時の承認メールがこのアドレスに届くため、受信可能であることを確認しておきましょう。
移行できない原因と事前チェック項目
ドメイン移管が失敗する主な原因を事前にチェックしておきましょう。
❌ 移管できない主な原因:
- ドメイン取得から60日以内である
- 登録者情報を変更して60日以内である
- ドメインの有効期限まで7日以内である
- ドメインロックが解除されていない
- Whois情報のメールアドレスが無効である
これらの条件に該当する場合は、移管のタイミングを調整するか、条件が解消されるまで待つ必要があります。
レンタルサーバーの契約とWordPressのインストール
移行の第一歩は、WordPressを動かすためのレンタルサーバーを契約することです。
レンタルサーバーの選び方
WordPressを運用できるレンタルサーバーは多数ありますが、以下のポイントで選ぶとよいでしょう。
🔍 レンタルサーバー選びのポイント:
- WordPressの簡単インストール機能があるか
- 無料SSL(https化)に対応しているか
- 表示速度・安定性の評判はどうか
- サポート体制は充実しているか
- ドメイン永久無料特典があるか
国内で多く利用されているレンタルサーバーとして、エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップなどがあります。WordPressへの移行であれば、WordPress簡単移行機能のあるエックスサーバーが使いやすいでしょう。
テスト環境でWordPressをインストールする
レンタルサーバーを契約したら、まずは**テスト用のドメイン(サーバー提供のサブドメインなど)**でWordPressをインストールします。
📝 テスト環境構築の手順:
- サーバーパネルにログイン
- 「WordPress簡単インストール」からテスト用ドメインを選択
- サイト名・ユーザー名・パスワードを設定
- インストール完了後、管理画面にログイン
テスト環境でサイトを完成させてから本番に移行することで、公開中のWixサイトに影響を与えずに作業を進められます。
テーマを選んでデザインを設定する
WordPressのデザインは「テーマ」によって決まります。Wixのデザインを完全に再現することは難しいため、新しいデザインとして再構築するという考え方で進めましょう。
🎨 おすすめのWordPressテーマ:
- コーポレートサイト向け: Lightning(無料)、SWELL(有料)、TCDテーマ(有料)
- ブログ・メディア向け: Cocoon(無料)、SWELL(有料)、AFFINGER(有料)
有料テーマは買い切りで1〜2万円程度ですが、デザインの完成度やカスタマイズ性が高く、長期的なサイト運用を考えると投資価値があります。
WixからWordPressへコンテンツを移行する方法
テスト環境のWordPressが準備できたら、Wixからコンテンツを移行します。移行する対象は主に「ブログ記事」「画像」「固定ページ」の3つです。
ブログ記事を移行する方法
ブログ記事の移行方法は、記事数や技術レベルによって最適な方法を選びましょう。
RSSフィードを使った移行手順
ブログ記事が20件以下の場合は、RSSフィード経由での移行が可能です。
📝 RSSフィードでの移行手順:
- WixサイトのRSSフィードURL(
サイトURL/blog-feed.xml)にアクセス - ページを右クリックして「名前を付けて保存」でXMLファイルを保存
- WordPress管理画面で「ツール」→「インポート」を開く
- 「RSS」の「今すぐインストール」をクリック
- 「インポーターを実行」をクリックし、保存したXMLファイルをアップロード
ただし、RSSフィードには最新20件の記事しか含まれないため、それ以上の記事がある場合は別の方法を併用する必要があります。
プラグインを使った移行手順
「Import XML and RSS Feeds」というWordPressプラグインを使うと、RSSフィードからの移行がより柔軟に行えます。
このプラグインは、RSSの各要素(タイトル、本文、日付など)をWordPressの投稿フィールドにマッピングできるため、より正確な移行が可能です。
ただし、画像は自動的には移行されないため、別途ダウンロードしてアップロードする必要があります。
手動でコピーする場合の手順
記事数が多い場合や、RSSフィードでの移行がうまくいかない場合は、手動でコピーします。
📝 手動コピーの手順:
- Wixの記事編集画面を開く
- テキストをすべて選択してコピー
- WordPressの投稿画面に貼り付け
- 見出しや装飾を再設定
- 画像を個別にダウンロード・アップロード
手間はかかりますが、この方法ならレイアウトやデザインを最適化しながら移行できるメリットがあります。
画像を移行する方法
Wixの画像はwebp形式で保存されているため、以下の手順で移行します。
📝 画像移行の手順:
- Wixの記事から画像を右クリックして「画像を保存」
- webp形式の場合はI♥IMGなどでJPEGに変換
- WordPressのメディアライブラリにアップロード
- 記事内に画像を挿入し、alt属性を設定
画像のファイル名も、SEOを意識してわかりやすい名前に変更しておくとよいでしょう。
固定ページを移行する方法
会社概要やサービス紹介などの固定ページは、基本的に手動での再作成になります。
📝 固定ページ移行の手順:
- Wixの編集画面でテキストをコピー
- WordPressで「固定ページ」→「新規追加」
- コンテンツを貼り付け、レイアウトを調整
- 必要に応じてブロックエディタで装飾
固定ページはブログ記事と比べて数が少ないことが多いため、この機会に内容の見直しやデザインの改善を行うのもよいでしょう。
パーマリンク設定でSEO評価を引き継ぐ
移行後もSEO評価を維持するためには、URL構造(パーマリンク)をWixと同じに設定することが重要です。
Wixのブログ記事URLは通常 /post/記事名 という形式になっているため、WordPressでも同じ構造にします。
📝 パーマリンク設定の手順:
- WordPress管理画面で「設定」→「パーマリンク」を開く
- 「カスタム構造」を選択
- 入力欄に
/post/%postname%と入力 - 「変更を保存」をクリック
これにより、Wix時代のURLをそのまま維持でき、検索エンジンからの評価を引き継ぎやすくなります。
Wixからドメインを移管する手順
コンテンツの移行が完了したら、ドメインを移管してWordPressサイトを本番公開します。
ドメイン移管先の選択肢と費用
Wixで取得したドメインは、他のドメイン管理サービスに移管できます。
| 移管先 | .com移管費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| XServerドメイン | 1円〜 | エックスサーバーとの連携が容易 |
| お名前.com | 1円〜(キャンペーン時) | 国内最大手、機能が豊富 |
| ムームードメイン | 1,728円 | GMOグループ、ロリポップとの連携が良い |
エックスサーバーを利用する場合は、XServerドメインに移管すると管理が一元化できて便利です。
なお、移管費用には1年分のドメイン更新料が含まれているため、実質的な移管手数料は0円です。移管後、ドメインの有効期限が1年延長されます。
Wixでドメイン移管の準備をする
ドメイン移管を開始する前に、Wix側で準備作業を行います。
📝 Wix側の準備手順:
- Wixアカウントのドメインページにアクセス
- 移管するドメインの横にある「ドメイン設定」アイコンをクリック
- 「ドメインを移管」を選択
- 認証コード(EPPコード)を取得
- ドメインロックを解除
認証コードは、登録しているメールアドレスに送信されます。このコードは移管先での申請時に必要となるため、大切に保管してください。
移管先でドメイン移管を申請する
Wix側の準備ができたら、移管先のサービスで移管申請を行います。
📝 移管申請の手順(XServerドメインの場合):
- XServerドメインにアクセス
- 「ドメイン移管」をクリック
- 移管するドメイン名を入力
- Wixで取得した認証コード(EPPコード)を入力
- 支払い手続きを完了
申請後、移管元(Wix)と移管先の両方から確認メールが届きます。両方のメールで承認作業を行うことで、移管手続きが進行します。
移管完了までは通常3〜7日程度かかります。この間、サイトが表示されなくなることはありませんが、DNS設定の変更中は一時的に不安定になる可能性があります。
ネームサーバーを変更して本番公開する
ドメイン移管が完了したら、ネームサーバーを変更してWordPressサイトを公開します。
📝 ネームサーバー変更の手順:
- ドメイン管理サービスの管理画面にログイン
- 「ネームサーバー設定」または「DNS設定」を開く
- レンタルサーバー指定のネームサーバー情報を入力
- 設定を保存
エックスサーバーの場合、以下のネームサーバーを設定します。
ns1.xserver.jp
ns2.xserver.jp
ns3.xserver.jp
ns4.xserver.jp
ns5.xserver.jp
ネームサーバーの変更が反映されるまでには、最大48時間程度かかることがあります。この間、旧サイト(Wix)と新サイト(WordPress)のどちらが表示されるか不安定になる場合があります。
メールアドレスを継続利用するための設定
Wixでドメインを使ったメールアドレス(例:info@example.com)を使用していた場合、移行後も継続して使えるように設定が必要です。
📧 メール継続利用のパターン:
- 外部メールサービス(Gmail、Yahoo!メールなど)を使用していた場合 → 特別な設定は不要。そのまま継続利用可能
- 外部のメールサーバーを利用していた場合 → 新しいネームサーバーにMXレコードを追加設定
- Wix経由のGoogle Workspaceを利用していた場合 → Google Workspaceのドメイン設定を新環境に合わせて変更
メールの設定を誤るとメールが届かなくなるリスクがあるため、不安な場合は事前にメールサーバー側のサポートに確認しておきましょう。
WixからWordPress移行後に必要な設定
WordPressサイトが公開できたら、SEO評価を維持するための設定と、Wixの解約手続きを行います。
301リダイレクトを設定する
Wix時代のURLとWordPressのURLが異なる場合は、301リダイレクトを設定してSEO評価を引き継ぎます。
301リダイレクトとは、「旧URLにアクセスしたユーザーを自動的に新URLに転送する」仕組みです。これにより、検索エンジンにもURL変更を正しく伝えられます。
WordPressでは「Redirection」というプラグインを使うと、管理画面から簡単にリダイレクト設定ができます。
パーマリンク設定をWixと同じ構造(/post/%postname%)にしていれば、多くの記事はリダイレクト不要でそのまま引き継げます。
Google Search Console・Analyticsを再設定する
Wix時代にGoogle Search ConsoleやGoogle Analyticsを設定していた場合、WordPress側でも設定を行いましょう。
📝 設定のポイント:
- Google Analytics: WordPressテーマの設定画面か、プラグイン(Site Kit by Googleなど)でトラッキングコードを設置
- Google Search Console: 所有権の確認を再度行う(HTMLタグまたはDNSレコードで認証)
サイトを移行しても、同じドメインであればSearch Consoleのデータは引き継がれます。
SSL証明書を設定する
WordPressサイトをhttps化するために、SSL証明書を設定します。
ほとんどのレンタルサーバーでは無料のSSL証明書が提供されており、サーバーパネルから簡単に設定できます。
📝 SSL設定後の確認事項:
- サイトURLが「https://」で表示されるか
- 画像や外部リソースがhttpで読み込まれていないか(混合コンテンツエラー)
- WordPress管理画面の「設定」→「一般」でサイトURLがhttpsになっているか
Wixを解約するタイミングと手順
WordPressサイトが正常に動作することを確認できたら、Wixの有料プランを解約します。
⚠️ 解約前の確認事項:
- WordPressサイトがすべてのページで正常に表示されているか
- メールの送受信に問題がないか
- お問い合わせフォームなどの機能が動作しているか
- 検索エンジンから新しいサイトにアクセスできるか
解約は、移行完了後1〜2週間様子を見てから行うことをおすすめします。何か問題が発生した場合に、Wixサイトに戻せる状態を残しておくと安心です。
📝 Wix解約の手順:
- Wixアカウントにログイン
- 「サブスクリプション」または「プレミアムプラン」を開く
- 「自動更新をオフにする」または「プランをキャンセル」を選択
自動更新をオフにすると、次回更新日以降にプランが終了します。すぐに解約したい場合は、サポートに連絡する必要がある場合もあります。
WixからWordPress移行のトラブルシューティング
移行作業中によく発生するトラブルと、その対処法を解説します。
ドメイン移管ができない場合の対処法
ドメイン移管が失敗する場合は、以下の原因が考えられます。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| ドメイン取得から60日以内 | 60日経過するまで待つ |
| ドメインロックが解除されていない | Wixの管理画面でロックを解除 |
| 認証コード(EPPコード)が間違っている | Wixから再度取得 |
| 有効期限まで7日以内 | Wixでドメインを更新してから移管 |
| Whoisのメールアドレスが無効 | Wixで連絡先情報を更新 |
移管が拒否された場合は、Wixのドメインサポートページを参照するか、移管先のサポートに問い合わせましょう。
移行後にサイトが表示されない場合の対処法
ドメイン移管後にサイトが表示されない場合は、以下を確認してください。
🔍 確認項目:
- ネームサーバーの設定が正しいか
- DNS反映待ち(最大48時間)の状態ではないか
- レンタルサーバーでドメイン設定が完了しているか
- SSLの設定に問題がないか
DNS反映待ちの場合は、時間が経てば自然に解消します。48時間以上経過しても表示されない場合は、設定に誤りがある可能性があります。
画像が正しく表示されない場合の対処法
移行後に画像が表示されない場合は、以下の原因が考えられます。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| 画像がアップロードされていない | メディアライブラリにアップロード |
| 画像のURLがWixのままになっている | 記事を編集して正しいURLに変更 |
| webp形式のままアップロードされている | JPEG形式に変換して再アップロード |
| ファイルサイズが大きすぎる | 画像を圧縮してからアップロード |
画像の問題は「Better Search Replace」などのプラグインを使って、一括で画像URLを置換することもできます。
自力移行と外注移行の判断基準
WixからWordPressへの移行を自力で行うか、専門業者に外注するかは、以下の基準で判断しましょう。
自力移行が向いている人
✅ 自力移行に向いているケース:
- ページ数が30ページ以下
- HTMLやCSSの基本的な知識がある
- 移行作業に時間をかけられる(2週間〜1ヶ月)
- デザインの再現度にこだわらない
- 費用を最小限に抑えたい
自力移行の最大のメリットはコストを抑えられることです。サーバー代とドメイン移管費用だけで移行できます。
外注移行が向いている人
✅ 外注移行に向いているケース:
- ページ数が50ページ以上
- 技術的な作業に不安がある
- ビジネス上、サイトのダウンタイムを最小化したい
- Wixのデザインをできるだけ再現したい
- 移行後のSEO設定やセキュリティ対策も任せたい
外注のメリットは、専門知識がなくても確実に移行できることと、トラブル発生時に対応してもらえることです。
移行代行サービスを選ぶポイント
外注する場合は、以下のポイントで業者を選びましょう。
🔍 業者選びのポイント:
- WixからWordPressへの移行実績があるか
- 作業内容と費用が明確に提示されているか
- 移行後のサポート体制はどうなっているか
- 見積もりは複数社から取得しているか
費用だけで判断せず、作業内容の詳細を確認することが重要です。「コンテンツ移行」「SEO設定」「リダイレクト設定」など、どこまで含まれているかを明確にしておきましょう。
よくある質問
- WixからWordPressへの移行でSEO評価は下がりますか?
-
適切にリダイレクト設定を行い、パーマリンク構造を維持すれば、SEO評価を引き継ぐことができます。ただし、移行直後は一時的に順位が変動する可能性があります。
- Wixで使っていたドメインはそのまま使えますか?
-
はい、ドメイン移管の手続きを行えばそのまま使用できます。移管完了まで最大7日かかりますが、その間もサイトは表示されます。
- 移行中にサイトが見られなくなる期間はありますか?
-
テスト環境でWordPressサイトを完成させてからドメインを切り替えれば、ダウンタイムは最小限に抑えられます。DNS反映待ちの間(最大48時間)は不安定になることがありますが、完全に見られなくなることは通常ありません。
- Wixの有料プランは移行前に解約すべきですか?
-
いいえ、移行が完全に完了してから解約してください。移行後1〜2週間は様子を見て、問題がないことを確認してから解約することをおすすめします。
- WordPress移行後もWixに戻すことはできますか?
-
技術的には可能ですが、再度手動でコンテンツを移す必要があります。移行作業の手間を考えると、一度WordPressに移行したら戻らない前提で計画を立てることをおすすめします。
まとめ
WixからWordPressへの移行は、エクスポート機能がないため手動作業が中心になりますが、正しい手順を踏めば確実に実行できます。
移行の成功ポイントは、テスト環境でサイトを完成させてからドメインを切り替えること、そしてパーマリンク設定やリダイレクトでSEO評価を引き継ぐことです。
移行にかかる費用は、自力であればサーバー代とドメイン移管費用のみで年間1〜2万円程度。外注する場合は10〜30万円程度が相場です。サイトの規模や技術レベルに応じて、最適な方法を選択してください。
本格的なサイト運用を目指すなら、WordPressへの移行は長期的に見てメリットの大きい選択です。この記事を参考に、計画的に移行作業を進めていただければ幸いです。
【参考情報】
